2-10 VanaDielStyle RELOADED

祝福されしヴァナ・ディールの地に
おおいなる災いが満ちる
何万年の長きにわたり
暗黒を退けていた古の封印がやぶれ
終わりなき悪夢が目覚めようとしている
罪なきものの血が大地を流れ
世界は恐怖と哀しみ
絶望におおわれるであろう

だが、希望がないわけではない
どんな嵐の夜をもつらぬき
輝くひとつの星がある
どんな獣の叫びにも消されず
流れるひとつの唄がある

そうだ
知恵と勇気と信念をたずさえた
誇り高きもの
さあ、深き眠りよりさめ、いまこそ立て
伝説の勇者たち
クリスタルの戦士!


シュンミは考えていた。ヴァナ・ディールの伝説とズヴァール城で見た光景。災いとは自分たち人間のことなのか。クリスタルの戦士とは本当に彼らのことなのか。答えは出なかった。しかし、ひとつだけ確かなものがある。自分の信念と覚悟。そして、それを支えてきてくれた大勢の人々。自分にはやるべきことがある。そう思った彼は青のシェルを手に取った。かつて VanaDielStyle リーダーの証として身に付けていたものである。
Shunmi 「まだ俺の役目は終わっていない」
そのリンクシェルは再び輝きを取り戻した。

VanaDielStyle による、もうひとつの伝説が始まろうとしていた


2-9 カザム族長

Gilgamesh 「ウガレピ寺院へ行くんだ」
ギルガメッシュは、かつでそこで出会った不思議な老人について語り出した。その老人は、こう言ったという。

古代の亡霊はまだ眠ったままなのかい?
連中が目覚めたときは、また訪ねてくるんだね。

失われた古代人・ジラート。シュンミはズヴァール城で彼らに遭遇していた。ウガレピの老人が言う古代の亡霊とは、ジラートたちのことなのか?
Shunmi 「調べてみる価値はありそうだな」


Gilgamesh 「カザムの族長ジャコ・ワーコンダロに会え。少しは力を貸してくれるだろう」
シュンミがうなずくと同時に男が部屋に入って来た。天晶堂のアルドであった。
Aldo 「大公が危険だと分かっただけでも収穫だが…フェレーナが消えた」
妹の事となると、この男は表情を変える。
Aldo 「今回の件と関係なければいいが…」
フェレーナ。オズトロヤ城で見たその顔をシュンミは思い出していた。
Shunmi 「俺はカザムへ向かう。フェレーナのことが何か分かったら連絡しよう」


カザム−ノーグ間の距離は短いものの、ユタンガ大森林を抜けるにはチョコボといえども数時間かかかる。入り組んでいる地下道を抜けなければならないためだ。それでもシュンミは、その日にカザムに着くことができた。
Jakoh Wahcondalo 「ウガレピ寺院へ行きたいだって?だったらこのカギを持っていきな。後は自分の責任で行動することだね」
族長 ジャコ・ワーコンダロは、そう言ってシュンミにカギを手渡した。果たして、ウガレピ寺院でシュンミを待つものとは…?


2-8 ある刀鍛冶の依頼

??? 「待ったぞ、シュンミよ。忘れてしまったのかと心配しておったところだ」
ギルガメッシュの部屋の前でシュンミを呼び止めたのは、刀鍛冶のジョクリベだった。シュンミは彼にボムの卸し鉄と聖地の木の枝を届けた事があった。冒険者として、刀の製作に必要な品の収集を依頼されていたのである。随分前の話だ。
Jaucribaix 「しかし 10 年とは長かったな。その辺りの冒険者ならば 3 日で報酬を受け取りに来るところだ」
待たされたという割には、どことなく楽しそうである。


??? 「10 年かけて侍の魂を見つけたか?」
Jaucribaix 「御頭…」
白髪隻眼。しかし、決して老いを感じさせない男。ギルガメッシュであった。彼はシュンミに一振りの刀を差し出した。無銘刀―どうやらジョクリベが打った刀のようである。
Gilgamesh 「お前の魂をこの刀に投影しろ。そして、内なる雑念を捨て、世界の全てを感じ取れ。曇りなき鏡、波立たぬ静かな水の如く、な」
Shunmi 「俺は赤魔道士だ」


Shunmi 「だが、闘う者であることは侍と変わらぬ。この刀、ありがたく受け取ろう」
Gilgamesh 「それでいい」
シュンミの手にした無銘刀には、それ以上の重さがあった。かくして、ここに新たな侍が生まれたのである。
Gilgamesh 「来い。ライオンから話は聞いている」
その声は確かにノーグを束ねる男のものであった。


2-7 海賊の巣窟ノーグ

セルビナ−マウラ間の機船航路に出没する海賊。シュンミはその本拠地であるノーグを訪れた。そこで彼を待っていたのは、ズヴァールで別れたライオンだった。
Lion 「久しぶりね、シュンミ。でも、再会を喜んでいる暇は無いようね」
10 年前―ズヴァール。闇の王、語り部ラオグリム、暗黒騎士ザイド。ジュノ大公カムラナートとその弟エルドナーシュ。そして、クリスタルの五戦士。ライオンが語るあの記憶は、シュンミがズヴァールから戻らなかった理由でもあった。
Lion 「あなた、あの後一体…」
シュンミはある伝説を追っていた。

伝説は、こうはじまる
すべての起こりは「石」だったのだ、と
遠い遠いむかし、おおきな美しき生ける石は
七色の輝きにて闇をはらい
世界を生命でみたし、偉大なる神々を生んだ
光に包まれた幸福な時代がつづき
やがて神々は眠りについた
世界の名は、ヴァナ・ディール

シュンミは黙って帽子に手を当てていた。ライオンは答えをあきらめた。
Lion 「とにかく、あなたが戻ってきたなら、私たちも動かないとね。ギルガメッシュに、父に会って」
ノーグの首領・ギルガメッシュ。ライオンはその娘だったのか。
Shunmi 「彼もまた世界と同じ名を持つ者、か」
そう口にしたシュンミの脳裏には、ヴァナ・ディールハンターの顔が浮かんでいた。

伝説はこうつづく
かくして
深く暗い眠りの底よりクリスタルの戦士たちは
しずかに浮かび上がった


2-6 オーウェンのムーンオーブ

 白魔道士オーウェン。闇の王を滅ぼした冒険者の一人である。彼はこの 10 年、レイズII を探し求めていた。未だクゥダフの支配下にあるパルブロ鉱山。その最深部、ワールンの祠でレイズII が発見されたとの情報を掴んだオーウェンは、共に闇の王を滅ぼしたクラス、シュンミ、クワトロ、そしてアトラ、アーシェルらスタメンでも選りすぐりの戦士たちと共にチョコボを走らせた。
 クゥダフの群れを蹴散らし、彼らはワールンの祠の Burning Circle にたどり着いた。オーウェンはこれにムーンオーブをかざし、一行はバトルフィールドへと突入する。


そこには 6 体のクゥダフが待ち構えていた。Zo'Dha Legslicer、Ka'Nha Jabbertongue、Ku'Tya Hotblood、Ea'Tho Cruelheart、Yo'Bhu Hideousmask、Bi'Fho Jestergrin。
アーシェルの歌でクゥダフを眠らせ、スタメンたちが順に相手をしていく。BC における常套手段である。そして、次々に倒れていくクゥダフたち。薬品を使うまでも無く、彼らは 6 体のクゥダフを葬った。
Shunmi 「ギデアスのマンドラたちの方が、恐ろしく手ごわい相手だったぜ…」


クゥダフたちが倒れた後には、奇妙な箱が残っていた。オーウェンがその箱を勢いよく開けると、中から魔法書が顔を出した。レイズII である。
Owens 「ん?まだ何かあるよ ('∀'*)」
アストラルシールドであった。
オーウェンはレイズII を修得、アストラルシールドはアーシェルの手に渡った。シュンミ は、かろうじてアーシェルからエンハンスマントを譲り受け、他の者は素材を持ち帰えることとなった。
Quattoro 「今度は、みんなでオーブ持って来よう」
その言葉がパルブロ探索の成果を表していた。


2-5 双影の赤魔道士

 その日、スタメンたちはコンシュタット高地と聖地ジ・タを巡っていた。ブラウンシュガー、マギー、クロト。彼ら 3 人は、ボムの卸し鉄と聖地の木の枝を求めていた。同行したアーシェルとシュンミだったが、予期せぬ事態に遭遇した。いや、その場の誰もが予期していた事態かもしれない。
 ブラウンシュガーが東方の古鉄と神木の新芽を持っていなかったのである。彼の忘れ物は今に始まったことではなく、「赤惑う士」と呼ばれる所以も、そこにあったのかもしれない。10 年前と変わらぬ彼に、元リーダーはため息をつくしかなかった。

Shunmi 「やれやれだぜ…」


 アーシェルがブラウンシュガーをテレポヨトでノーグに送っている間に、クロトとマギーの卸し鉄は手に入った。ブラウンシュガーが戻るまでに、Rampaging Ram に遭遇したが、彼らにはさして問題ではなく、シュンミが砂コウモリに襲われていたガルカをセルビナまで送り届ける余裕まであった。
 ノーグから戻った 2 人を加え、一行は聖地ジ・タへ。合流したクワトロ大尉にシュンミは、にやりとしてみせた。彼は白く輝く鎧を纏っていた。
 聖地の木の枝も難なく入手した彼らは、ラバオに向かった。この 10 年で、ラバオ経由の帰還は定番になったようである。しかし、ブラウンシュガーはアルテパ砂漠で独りスパイダーに挑んでいった。


 ほとんどの者はデジョンで HP に帰還する中、シュンミは彼の戦いを観ていた。手を貸せば彼が倒れることは無かっただろう。だが、シュンミがブラウンシュガーを助けることは無かった。これまで何度となく傷ついた者たちを救ってきた シュンミであったが、ブラウンシュガーを見つめる瞳には厳しさが感じられた。彼はもう一人前の赤魔道士。自分の身は自分で守れる。自らが選んだ戦いに対しても覚悟はできているはず。シュンミはそう思っていたのかもしれない。そして、ブラウンシュガー自身も助けを求めることは無かった。

 レイズを唱えるシュンミの目には、一人の「赤魔道士」が映っていた。


2-4 懐かしき騎士との再会

リンクパールを受け取ったシュンミはジュノに来ていた。
そこで彼は、懐かしい人物と再会した。
Shunmi 「お久しぶりです、テッペイさん」
テッペイと呼ばれた男は、すぐにはシュンミに気がつかなかったようだ。だが
Teppei 「ご立派になられて…」
10 年前。シュンミは彼の世話になったことがあった。いわゆる「サポ取り」を彼が手伝ってくれたのである。それ以来、一度も会うことは無かった。アーティファクトに身を包んだシュンミにテッペイは驚いていたのかもしれない。


ふたりは、少ないながらも言葉を交わした。

この世界には再会というものもある。未熟な頃、力を貸してくれた騎士、初めて共に戦った狩人。彼らに再会した時、それまでの自分の生き方を見つめなおすことができる。あれから、どう生きたか?何を得たか?彼らのように、人の力となってきたのか?

Teppei 「では、またどこかで」
シュンミは自分の過去を確かめるように、そっと帽子に手をあてた。


2-3 帰るべき場所

Lusius 「待ちたまえシュンミ」
大統領執務室を出るところを止めたのは補佐官のルシウスであった。
Lusius 「VanaDielStyle のメンバーに、君へパールを渡すようにと連絡してある。メンバーの誰かがバストゥークに向かっているはずだ。それまで、ここに滞在しているように」

翌日―シュンミは商業区の噴水を眺めていた。
Shunmi 「ここは少しも変わっていないな」
彼は何を思っていたのか?いや、誰を。


まだ赤魔道士として駆け出しだった頃、シュンミはある女戦士とこの噴水で出会った。彼女は、スケイルメイルをまとい、背にはその身長ほどありそうな大剣を担いでいた。そして、シュンミにとって初めて仲間と呼べる存在となった。あるいは、それ以上の存在であったのかもしれない。
??? 「やっぱり、ここにいたのね」
シュンミに声をかける者がいた。サンドリアの甲冑に身を包んではいるが、言葉にはバストゥークの響きがあった。
Shunmi 「マギー…」


シュンミは 10 年ぶりにその名を呼んだ。
Maggie 「おかえりなさい。パールを渡しにきたわ」
彼女もまた、VanaDielStyle のメンバーだったのである。
Maggie 「早くみんなに声をかけてあげて」
せかされるように、シュンミはリンクパールを身に付けた。そして
Shunmi 「ただいま」
少し間を置いて、何人もの「おかえり」が世界中から聞こえてきた。シュンミは帰るべき場所に帰ってきたのだと思った。噴水と陽の光があたりを包んでいた。


2-2 二人のDへ

Moogle 「ご主人さま、おかえりクポ〜」
シュンミを出迎えたのは、10 年前と変わらぬモーグリの言葉であった。
Moogle「ご主人さま、マホガニーベッドでゆっくり休むクポ」
Shunmi 「あぁ、その前に土産だ」
そう言った シュンミがモーグリに手渡したものは、シュリンプルアーとセルビナバターだった。10 年前、モーグリが故郷の両親に送りたいと言っていたものである。
Moogle 「ご主人さま、覚えていたクポ?ありがとうクポ〜。うれしいクポ〜」
はしゃぐモーグリをよそに、シュンミはモグハウスに届いた一通の手紙を読んでいた。


Shunmi 「ディードさん…」
差出人は、かつてギデアスの BC で幾度と無く戦いを共にした吟遊詩人ディードリットであった。ふとシュンミの表情が変わった。
Moogle 「どうしたクポ?」
Shunmi 「戻らぬ旅に出るようだ」
手紙には、永遠の別れを告げる言葉が綴られていたのである。
Shunmi 「俺は、まだ何もあなたの力になれていないのに…」
赤魔道士として戦い続けるために、彼は多くの人々の力を借りてきた。彼女もその一人であり、シュンミは彼女から多くを学んでいた。


そして、もう一人。この世界を離れる者がいた。名はダリル。シュンミと同じく赤魔道士で、彼の旧友でもある。その実兄ともシュンミは戦いを共にした経験があった。
Shunmi 「他の世界で戦う、か」
友との別れ。これまでにも、それはあった。別れの挨拶を交わせることもあれば、無言で消えていった者もいた。この世界で生き続ける限り、それは繰り返される。誰かが自分を待っている。誰かが力を必要としている。そう思える限りは、この世界に留まろう。シュンミは、そう思っていたのかもしれない。
Shunmi 「ありがとう。そして、さようなら」


2-1 プレリュードは静かに奏でられる

 復活した闇の王が滅ぼされてから 10 年。ヴァナ・ディールは冒険者の時代を迎え、世界の中心はジュノに移っていた。三大国家に暮らす人々は、この平穏な日々に感謝していたが、為政者たちの悩みは尽きなかった。特にバストゥークは、工業国家としての成長期を過ぎ、その勢力も弱体して久しい。今日も静かに一日が始まり、静かに終わっていく。誰もがそう思っていた。
 彫金ギルドの職人、鉱山で働くガルカ。彼らが昼食を終える頃、商業区の南門をくぐった男がいた。鍔広の旅人帽に、細身の剣。冒険者としては、そう珍しくない。しかし、その帽子には羽根が付いていた。そして赤い。この世界に生きる者なら、小さな子供でも彼が何者か分かる―赤魔道士であった。

 午後―大統領府。プレジデント・カルストの執務室には、従士隊長フォルカー、補佐官ルシウス、工房長シドが揃っていた。
 そして、明らかに部外者と分かる男が一人。あの赤魔道士である。プレジデントは切り出した。

Karst 「闇の王については、既にクワトロ大尉から報告を受けている。10 年前にな。お前がこの 10 年何をしていたのか。そんなことは、どうでもいい。
早急に Style Member と合流しろ。闇の勢力の全てが滅んだ訳ではないのだからな」
??? 「VanaDielStyle、か」
彼は帽子を直しながらつぶやいた。
Cid 「今はブラウンシュガーが指揮を執っているはずだ。頼むぞ元リーダー」
元リーダーと呼ばれた赤魔道士は、無言で執務室を出るところだった。


 大統領府を後にした彼は、商業区の宅配業者を訪ねていた。
 ??? 「これをウィンダスまで届けてくれ。受取人の名前はエリオ」

 彫金ギルドの職人、鉱山で働くガルカ。彼らが家路につく頃、その赤魔道士も 10 年ぶりに彼のモグハウスへと向かっていた。

 数日後。ウィンダスのあるモグハウスに荷物が届いた。差出人の名は、こうあった。

シュンミ


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